2012年3月29日

広島交響楽団で念願のシンフォニア・ダ・レクイエム


今年に入ってからブリテンが私の中で大ブレイクしています。
きっかけは真夜中の会話を書いていたときに、最後の最後で"青少年の管弦楽入門"に多いに助けられたというのもあるのですが。
とても情景が浮かびやすいというか、詩的で美しい音使いをしているように思えたのです。
(余談ですが相方の子供時代にこれとプロコフィエフの"ピーターと狼"のレコードが家にあったそうです。私もそんな幼少期だったら…)
でもウィキなどでは彼のせいでイギリスの音楽事情は世界から後退したというのは事実であるが、同時にイギリス人の音楽観をこれほど世界中に広めた人物も皆無である。なんて書かれていてひょえー、となってしまうのですが。
しかしウィキの書いてあることも確かにそうかも^^;と最近彼のCDを求めて聴きつつ思います。本当に彼の持つ旋律は紛うことなくイギリス的。

もう一人、今私の中で流行っているブリスも、ブリテンとほぼ同時期のイギリスの作曲家です。彼も含めて(ただブリスは、自分の中では当たりは半分くらいかな?好きですが。)あれこれ聴いては楽しませていただいています。もともとエルガーやヴォーン・ウィリアムズも好きなのだから、当然の流れかもしれませんが。
イルミナシオンとかも良いですね。いつか紀尾井シンフォニエッタで聴いてみたい。

しかし彼の曲を演奏会で聴く機会がないか?と探していた所、丁度地方オーケストラフェスティバルで広島交響楽団がオールイギリスプログラム!しかもシンフォニア・ダ・レクイエムを演奏する事がわかり、すぐさまチケットを買いました。
この曲はかつて第二次世界大戦が勃発した直後、日本が皇紀2600年という事で委嘱したものの、そのタイトルが不吉すぎる!ということで却下された作品です。
その日が来るのをとても心待ちにしていたものの、しかし当日いきなり体調不良になり、かなり迷ったのですがこの曲はなかなか聴けないかも、と思い頭痛と腹痛を抱えた状態で、錦糸町のすみだトリフォニーホールへ出かける事にしました。

当日のプログラムはこんな感じでした。
指揮 秋山和慶
チェロ マーティン・スタンツェライト(首席チェロ奏者)
管弦楽 広島交響楽団


エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
ブリテン:イギリス民謡組曲"過ぎ去りし時…" 作品90
ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20

冒頭のエルガーのチェロ協奏曲から良い出だしだったというか、チェロのマーティンさんが丸みのある温かい音を出すので、すっかり気に入ってしまいました。特にこのオケは弦が凄く繊細で、丸い優しい響きをもたらしていると思いました。
この感じならブリテンの2曲(チェロのアンコールも良かった!)も期待できると、この時だけは頭痛も腹痛もすっかり忘れられる気分でした。

個人的には木管はもっとグレードアップできるんじゃないかなぁ、という気がちょっとしたものの、非常に熱のこもった演奏で、忘れられない良いプログラムになりそうです。シンフォニア・ダ・レクイエム、今CDかけながら演奏の事を思い出していますが、広島交響楽団のは更にイギリスの光景が(Top Gearで訓練されているからかwまぁ行った事のある数少ない外国ではあるのですが)何度も頭の中に浮かび出てきて音の一つ一つにじんわり感動しました。
広島交響楽団そのものにも好印象で、来年またすみだトリフォニーに来るようならば、足を運んでみようと思います。音出しの真っ直ぐで素直なオーケストラ、という感じでしょうか?うまく言葉に出来ないのですが…。
アンコールはエルガー、威風堂々の5番!あまりに有名な1番じゃないのがミソ。これがまたトラッドな感じの、良い英国調の演奏でした。とても嬉しかったです。
威風堂々も全曲聴く機会が欲しいのですが、なかなかやりませんねどこのオーケストラも…。やるんだったら私は行きますよ。

ブリテンものは次は5月に新日本フィルが同じすみだトリフォニーで”4つの海の間奏曲”を演奏します。格安でもあり、もう既にチケット買ってあります。新日フィルも私ははじめてなので非常に楽しみです。
4つの海の間奏曲は、オペラ"ピーター・グライムス"の中の間奏曲を抽出したものです。映像的で大変美しい音をしています。(オペラは無茶苦茶暗ーい内容ですが…これも秋に新国立劇場で初演されるんだよね。)興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

※シンフォニア・ダ・レクイエムは頃合の良いのがなかったので4つの海の間奏曲を。この映像は私の好きな指揮者であるネヴィル・マリナーさんが振られています。



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