2011年1月27日

エンヤと平沢進と”SOLAR RAY”その2

1からの続きです。

エンヤと平沢進にはいくつかの共通点があって
・バンドから1アーティストとして独立した
・デビュー年が近い(1988年と89年)
・音(声の多重録音など)
・映画音楽などを手がけた事がある


なおかつ私がポピュラー音楽に求める4つの要素
・サウンドが独特
・曲がキャッチー
・作詞に世界がある
・声に色気がある

をどちらも満たしています。

ただ、私はエンヤに関しては、デビューアルバムの"watermark"以来
ずっとアルバムを買って愛聴し続けていたのですが、
ある時を境にブッツリと途切れてしまいました。
それは2004年に「アマランタイン」「菫草(すみれぐさ)」が
パナソニックのCM曲として作られた(採用されたのではなく)事が
きっかけでした。
ええ!あのエンヤがCMの、それも日本の曲を書くの。と思った一瞬、
それは私自身が大切に持っていたエンヤの世界が崩れてしまった
瞬間でした。

曲そのものがあまり好きではなかった事もあったのですが、
それ以降、彼女のアルバムは全く聴かなくなってしまいました。

ところが、今私は平沢進を、エンヤに出会った時は全く知らずに
デビューから20年も経った今になって夢中になっています。
それも、twitterやUstという手段によってめぐり合って。

誰かの音楽を好きになるきっかけはその人、その時によって様々です。
ただ平沢進の事を少し調べているうちに、
どうもネットの世界では今ちょっとした有名人になっているらしく、
メジャー(という言葉を彼は嫌うようですが)一歩手前くらいまでは
多分ブレイクしているような感じを受けるのです。
(リボルテックというフィギュアのリクエスト投票で1位になったとか、
そのニュースは元々知っていたのに、当時はこれがまさか実在する
アーティストの事だとは思いませんでした(^_^;)

つまり平沢進の人気が出ていなければ、Ust中継もなかったでしょうし
それによって私が彼の音楽に出会う事はなかったかも知れないのです。

加えて思ったのは、嗚呼、ひょっとするとエンヤについても
「アマランタイン」「菫草(すみれぐさ)」でのCMで
ファンになった人も、きっと大勢いるのだろうと。
出会いはどこに落ちているか分かりませんが、
ただ、拾い易さに関してはCMの威力は絶大です。

20年前のファンが、最近の人気ぶりについてどう思っているのか、
それも様々でしょう。
ただ、それを良い傾向と思わないファンもきっと少なくないだろうと、
実感と共に伝わってきました。
年月によるアーティストの音楽作りに対する姿勢の変化とは別に、
それも頭に入れて聴かなくてはいけないかな、と思うこの頃です。

平沢進を単なる一過性のマイブームではなく
じっくりと楽しみたいと思いつつ、
エンヤのことを再び見直してみようかな?と
振り返るきっかけにもなりつつあります。
多分彼女は、今も全力で音楽を創り続けていると思うから。

おまけ
せっかくなので動画もちょっと貼ってしまいます。
今回のアルバム"SOLAR RAY"で怖くも美しいと思ったこの曲と

エンヤで一番好きなこの曲を。


でも、パソコンの余計な雑音が邪魔するでしょうから、
二人の音の立体感は、是非購入してステレオで聴くのが良いです。
全然違いますよ。

※平沢進については次は何にしようか。
”Sim City”か最新オリジナルの”点呼する惑星”にするつもりですが。

エンヤと平沢進と”SOLAR RAY” その1

突然ですが、私がポピュラー音楽に対して求めるものは4つ。

・サウンドが独特
・曲がキャッチー
・作詞に世界がある
・声に色気がある


この4つが揃っているアーティストがいたら、
私が夢中になり”浸かってしまう”可能性がかなり高いです。
ただし、この4つの条件が同時に揃う人やグループはかなり少ない。
本当に少ないです。

1月14日の夜、twitterのタイムラインに"平沢進"のUstライブ中継の事を
書いている方が何人かいました。
平沢進って誰だっけ、名前は聞いたことがあるけど…
あっ!「千年女優」の音楽の人だ!!と思い出すのに数分かかりました。
(実は今ちょっとした時の人で、ネットで何度もその名前に遭遇していた
事に、後で気がつきましたが)
その時はたまたま時間もあったので、
このライブUstを興味本位で見てみることに。

まずてっきりお若い方なのかと思っていたら、
おじさんだった事にのけぞりつつ(^_^;)
パソコンから流れてくる音楽は、
上記4つの条件を全て満たしているではないか!
ただでさえ中々そんな人はいないのに、
それも日本人でこんな方がいたのかと、
数分で驚きと感動でいっぱいになり、
その後ライブが終わるまでパソコンに釘付けになってしまいました。

あの時タイムラインに平沢進の事を書いてくださった
フォロワーの皆さん、こんな出会いを私に下さった事にまず感謝。


さてその後は情報収集しつつ何かCDを買おうと思ったのですが、
何せソロ活動20年、P-MODELというテクノバンドの時代を含めると
30年も活動されている方なので、一体何から買っていいのか分からない。
作品数も元々膨大なのにベスト盤らしきものも複数、
リモデルされたものまで数えると
とてもじゃないがすぐに追いつけそうもない。
どうしようかな、最新の「突弦変異」「変弦自在」
(要はどちらもリモデル盤、ですよね)を買えば良いのかな。
と考えていたのですが…

ただ、私はただのベスト盤って好きではないのです。
「世界」のある人は一曲切り取っても、それが例え素晴らしい曲でも、
後でオリジナルを買うとそちらの方ばかり聴いてしまうから。
最新版はリモデルだとしても、2枚買うのはなぁ…

と悩んだ末、お試しの一枚で買ったのは
2001年のリモデル・アルバム”SOLAR RAY”にしました。
多分意図的なのでしょうが、オリジナルアルバムのタイトル曲が
4曲入っていたので今後の参考にしやすいし、
コンセプトの"P-MODEL風アレンジ"なら、音色もオリジナルと違いつつ、
一挙両得で平沢進とP-MODELの世界が分かるかな?という安直な理由で。

そうしたら、ヤラレマシタ。
これが素晴らしい。10年前とは思えないアグレッシブな音の洪水。
勿論何枚かのアルバムから曲を持ってきているので
統一した世界観はありませんが、
トリップ感、音の立体感がもうたまらない。
声の「言葉と音」としての引力もグイグイ引っ張ってくる。
ロックとテクノとの音の融合を目指したマイク・エドワーズは
こういう音楽を作りたかったのでは?と頭をよぎりました。

私の手持ちのアルバムは
今この”SOLAR RAY”しかないので、
平沢進のことはこれ以上語れません。
ただ聴き込んでいるうちに、もう一人のアーティストの事が
思い出されてきました。
それは、エンヤです。
(2に続く)