2011年8月24日

時は舞い降りた。その3

ライブの内容に全く不満がなかった訳ではない。
私は前記した3rdの"PERVERSE ”と4thの”Already”が特に好きで
しかも"Already"の頃は彼らも来日しなくなってしまったので
是非この時の曲を聴きたかったのに…
プレイされた曲は
1stの"Liquidizer"と2nd"Doubt"で大半を占められており
"Already"に至っては一曲もなかった(^_^;)

否勿論その2枚だって好きですけどね…
"All the answers"とか聴けるとは思わなかった曲もあり、
それはそれで嬉しかったし。
でも聴きたい曲は他にもワンサカあるのに!
"Motion"とか"Rails"とか"SPIRAL"とか、あの場で聴きたかった!

…この辺りはアルバムの個性上、
聴いた人によって感想が全く異なると思います。

後キーボード関係はちょっとイマイチでしたよね…
なんて書くとイアンが可哀想なことになってしまうのですが、あえて。
(最近やっていなかったのかな?)
ひょっとするとその辺りも選曲と関係あるのかな?と
考えたりもしました。

でもあのマイクが見られたから良い。単なる懐かしいだけじゃない、
音楽の創り手としての才能をまざまざと見せ付けられる、
あの感じをもう一度味わえたので、それで充分、といった1時間でした。
(ライブ時間も短いですが、元々そういう意向のバンドですしね)

そして不思議だったのは、
このライブが解散だとかフェアウェルだとか、
そういう雰囲気を全くといって良いほど感じなかったことです。

悲壮感とか、終わってせいせいする、だとかいう空気が
まるでありませんでしたから。
しかもイアンが「また来年」と言っていたようですし、
ひょっとすると次があるのかしら?
そんな事をちょっとだけ、ちょっとだけですが期待してしまった
赤坂の夜でした。

かなわぬ願いかもしれませんが、もしイアンの言っていた事が本当なら、
新しい音と、出来たら今日やらなかった曲をまた歌いに来て下さい。
とても素晴らしい時間をありがとう。
貴方のしてきたことは、間違っていなかったと改めて思います。


Jesus Jones - Idiot Stare

時は舞い降りた。その2

赤坂BLITZへ行くのははじめてだった。
その名前は有名でキャパも事前に調べてたけど、
実際の会場を見るとJesus Jonesがここで?
と思う程小さく感じられた。
そして私と同年代か、それ以上か?という感じの観客。
2ndアルバムの"Doubt"の時売られていた
Tシャツを着ている方も何人かいた。
あれ学生の時私も持っていたけど、物持ちいいなぁ…
と思いながらスタンディングの後方で
開演をただボーっと、何もせず待っていた。
流れてくるメロディは何故か10ccやエルトン・ジョンだったけど
そういえば昔、厚生年金会館でライブをした時も、
そんなだったかも知れない。

そんなJesus Jones本来の音を考えれば
違和感のあるBGMが打ち破られるようにして、
ライブがはじまった。
ジェリーやアランといったメンバーはTシャツだったのに
マイクは髪を黒っぽく染め、短く七三分けみたいにして、
グレープ色のシャツを着て現れたのでまずここでたまげた。
何と言うか、この辺でお勤めの外国のサラリーマンが
仕事帰りにギター持って現れたみたいでさ…

でも明らかにカッコいい。何故だ?体型か?
次の瞬間、訳がわかった。

オーラがパーッと花開くかのように、以前以上と思えたほど
真っ直ぐな力強い声で”who? where? why?”が心に響いた。
もう十何年も時間は経っていたけど、彼らは変わっていなかった。
経年で悩むのはもうやめた。
1時間弱の短いライブだったけど、全力で楽しんだ。

Who? Where? Why? - Jesus Jones

時は舞い降りた。

この放置されたブログを書く気になったのは
Jesus Jonesのライブ、それもフェアウェル・ライブに行ったから。
魔法にかかったような、あるいは狸にでも騙された?
ような気分になったから。


何回かブログでもJesus Jonesの事を書いているように思う。
彼らのことを知っている方は確実に35歳以上でしょう。
凄くアグレッシブだったのに、3rdアルバム"PERVERSE"が
英マスコミから無視を決め込まれて急速にいなくなってしまったバンド。
日本ではもうちょっと彼らへの支持が続いていたけどね、
でも結局彼らを庇いきれなかった。
その事は今も辛く思う。

クラシックばかり聴くようになった今でも、
JESUS JONESは時折取り出して聴いていた。
単に昔が懐かしいだけではない。
その後も多くのポピュラー音楽が世間で流れたり、
自分でも買ったりしたけど、
残ったのは彼らとGANGWAYとCHICANEだけだった。
攻撃的な音、良く練られた、意味深な歌詞(ラブソングなんてない)
ロックなのにポップで、メロディアスなフレーズ、
ヴォーカルでありJesus Jonesのコアでもあるマイクの、
美声とは言い難いが惹きつけられるパワー溢れる真っ直ぐな声。
今でも古さを感じない。
いや"PERVERSE"に至っては
ようやく時代が追いついてきたような気がするのに。


布袋寅泰と武道館でのツアーがあったのは1994年の事だったらしい。
行ったのに、らしい。なんて言わなきゃならない位遠い昔の記憶になってしまったのに
今年になって突如一日限りのライブが行われる事に。
それも、いきなり解散公演。
何の事情かはさっぱり分からないけど、絶対行く!とチケットをすぐ買った。

でもね、せめて後5年早かったら。
楽しみにしつつもどこか後ろめたい感じがあったのも確かだ。
彼らは十数年もどうしていたんだろう、何故今最終公演なのか?
音はあの時より劣化していないだろうか?
歳月を感じてしまうだけになってしまわないだろうか?
お客さんだって来たくても来れない年齢になってしまったのでは?
余計な事をいろいろ考えてしまい、
テンションが上がったり下がったりしながら
当日を迎え、私は赤坂BLITZへと足を運んだ。

Jesus Jones - Right here right now