2010年5月19日

ルイーダとショスタコービッチ・その2

さあルイーダで満足した私達は、距離的には勿体無いけど
タクシーでサントリーホールへ。
(行きで迷子になったので…(^_^;)
ここでお友達のご主人とも合流して、
本当のメイン、名古屋フィルハーモニーの東京公演です。

この日のプログラムは以下の通り。
オネゲル:交響曲第4番「バーゼルの喜び」
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
前半に2曲、後半ショスタコービッチという構成です(ここが重要。)

しかし、招待を受けたのにこんな事を書くのも
申し訳ないのですが、
最初「…あれ?あれ?」の連続でした。
ホルンが気になる、クラリネットが気になる、
フルートもなんか音が微妙。
(というか管楽器で安心して聴けたのはオーボエだけでした。)

せっかくの大好きなラヴェルのピアノコンチェルト。
今回は北村朋幹さんという、まだ19歳の若者。
彼のピアノの響きはちょっと模範的?な感じもしたのですが
端正な演奏なのに、オケが完全にフォローしていない気がする。
何か手抜きっぽい印象すら…

とせっかくの地方オケ公演なのに、休憩の時点では
かなり辛口な言葉が口から出てきそうでした。

ところが、ショスタコービッチになったら印象がひっくり返りました。
パンフレットにも「ショスタコービッチは得意演目」と
書いているだけあるのか、弦はノリノリだし、
金管もとても綺麗。気になっていたホルンも
メンバーが若干入れ替わり、それだけで随分良くなっている。
(ただしクラリネットだけはメンバーが変わっていなかったので、
これだけはどうにもなりませんでした。(^_^;)
指揮者の意図も熱意も明確に伝わってくる音作りをしていたように思います。

この一曲だけなら本当に素晴らしかった。
でも、でも、だったら最初の2曲はなんだったのよ!
…とも言いたくなります。それって勿体無いと思うのですが。

あとこれは些細なことではあったのですが
ショスタコービッチが終わって大拍手
(本当に大きな拍手でした。)があったのに
少ししたら、演奏者の一人が帰ろうとしたのです。
これはちょっとしたユーモアで済むかと思ったのですが…

その後、アンコールがあったのです(^_^;)
時間も遅かったし、熱演だったし、帰ろうとした演奏者までいたのだから
もう何もないのかと思っていましたよ。
何かそういう意味でもチグハグさは最後まで私の中に残りました。

地方オケが東京で公演する、というのがどういった意味を持つのか
それはオーケストラによって様々でしょうけれど
(私も山形交響楽団の東京公演を毎年楽しみにしている一人ですし)
オーケストラが魅力的であればファンになり、
時にはCDを買ったり、名古屋にも出かけたりするでしょうに。

輝きの断片は見えたものの、もうちょっと熱意を見せてほしかったなぁ、
と思わずにはいられませんでした。

4 件のコメント:

  1. トラック野郎2010年5月20日 8:07

    どうも、ありがとうございました。

    同感です。
    前半と後半で明らかに音が違っていましたもんね。
    招待券だからよかったものの、今後チケット買って行こうとは思わないような気がします。

    返信削除
  2. トラック野郎さん

    コメントどうもありがとうございます。
    そして楽しいひと時も下さって嬉しいです。

    あの後この公演を書いたブログなども見ましたけど
    評価はいろいろですね。至極当然ですが。
    私は思いっきり素人なものですから、同感していただけると
    ちょっと安心します(^_^;)

    でも外国、東京、地方、プロアマ問わず
    そのオーケストラのカラーが多種多様であるのを
    確認できる貴重な機会だったと思います。
    まだまだいろいろあるのでしょうね…。

    返信削除
  3. 名古屋で同じ演目を聞いたものです。
    東京ではアンコールがあったんですね。名古屋ではなかったので驚きです。

    感想は……東京は同演目3回目ですから。その前の2回の演奏がどうだったかは察して頂けると思います。。。
    秋の定演で井上道義さんが『レニングラード』を振るのですが、楽しみかつ大変心配しています。(比重は後者なのが悲しい)

    返信削除
  4. まぁさん

    どうもこんにちは。
    そしてはじめまして!
    まぁさんは名古屋方面にお住まいなのでしょうか?
    秋の定演のお話、期待と不安が入り混じったコメントに
    (まだ一回しか聴いていないのに)なんとなく頷けるものが
    あります(^_^;)

    勿論オーケストラには事故がつきものだし、
    いつもベストの演奏を聴かせてくれるとは限らないのは
    百も承知なのですが、
    今回の公演で何とも惜しいのは、
    全ての曲に全力を尽くして
    演奏されている感じを受けなかったことです。
    ちょっとしたミス、とかなら
    「ラヴェルは惜しかったけれどショスタコービッチは
    素晴らしかった!」と賞賛できるのですが…
    ショスタコービッチがとても良かっただけに
    そういった姿勢が見えていれば、書いていることも
    また違っていたはずです。

    あと、これは演奏側の問題ではありませんが
    こんなトラブルがあったのははじめて知りました。
    https://www.nagoya-phil.or.jp/info/info.html?216

    正直な話をすると、私と(一緒に行った友人の)隣の列
    数席全部空いていました(^_^;)
    パッと見た感じ8割くらいの入りかな、と思っていたので
    まさかこんな事になっているとは思わなかったです。
    サントリーホールは決して便利と言える場所にないので
    何とかして会場に向かったのに、当日券が買えなった、
    招待券貰ったのに入れなかった、というのでは
    オーケストラとしての姿勢が疑われてしまいます。
    名フィル、及びクラシックの盛り上がりのためにも、
    こういったミスが足を引っ張らないことを願うばかりです。

    長いコメント、しかも支離滅裂ですみません。
    でも決してつまらないコンサートではなく、
    ショスタコービッチは楽しく聴けたので
    今後に期待したいですね。

    返信削除