2011年2月21日

おしょうしな米沢・その2

さて、遅くなりましたが米沢旅行、”食以外のこと”について。
米沢駅は他の東北の駅同様、JRの駅周りはちょっと寂しい風景。
しかし、駅から2キロほど頑張って歩くと
(本当は巡回バスが運行されているけど、1h一本のバスを
寸前で逃してしまいました(^_^;)
ここ、本当に人口9万人の街なの?とは思えないほどの
立派な区画が顔を出します。

上杉兼信公を祀っている上杉神社を核に、
レストランやおみやげ物が並ぶ上杉城史苑、
そして博物館とコンサートホールが一体となった巨大な建物、
伝国の杜が一エリアに固まっています。
固まっているといっても、広大なエリアに、
これまた大きな建物が悠然と構えているため、
何かここは日本じゃなくて、欧州のどこかの都市みたいでした。
一枚目の写真は、そんなイメージを持って撮ったものです。
右奥にある建物が伝国の杜です。
 

この伝国の杜に入っているホールが、
今回のメインである山形交響楽団(以下山響と略)
米沢公演の舞台となる「置賜文化ホール」です。
ロビーに入ると、天井の高さにまず驚く…はずが
目の前の能舞台にもっとびっくりしてしまいました。

この能舞台、ホバークラフトの原理でロビーとステージの間を
行き来する事が出来るそうです。
この日は使わないから、ここにあるのですね。
こんな大きな、それも格式高いものが可動式という事に驚かされます。


 

そして今日の公演は、山響モーツァルト定期
(8年かけてモーツァルトの全交響曲を演奏するそうです)
の折り返し地点として、
交響曲21番(モーツァルト16歳の時書いた作品!)と、
オペラ魔笛のハイライトが行われました。
ハイライトといっても、歌手は勿論、合唱も入った本格的なもの。
まず交響曲21番が、良い曲なのにモーツァルトは凄い曲ばかりだからか?
演奏される機会がない事に驚きつつ、山響らしい丁寧で明るい演奏に、
即音楽の世界に引き込まれていきました。

そして魔笛。
私が一番驚いたのは、合唱(山響アマデウスコア)の皆さん!
凄く統一された若々しい声で、後方を大変盛り上げていたと思います。
歌手の皆さんばかりに目が行きがちですが、この声の集まりを聴けただけでも
米沢へ行って良かったと思っています。
勿論夜の女王やタミーノ、パミーナ等の歌手の皆さんも
役作りも含め雰囲気ばっちりで、大変楽しませていただきました。
そして今回は歌に目が行きがちでありましたが、
当時の楽器を使って音を再現しようとしていた
山響の演奏も素晴らしかったです。
というかまた一層洗練された感じがしましたね。

 

ちょっと長くなってしまったので、もう少し別枠で続けたいと思います。
 
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おしょうしな米沢・その1

先日、1泊2日で米沢に行ってまいりました。
主な目的は山形交響楽団の魔笛ハイライトを見に行くためだったのですが、
今回は山形公演の次の日に米沢でも同じ内容でコンサートがあると知り、
せっかくだから今回は行った事がない所で、と
米沢郊外の小野川温泉をセットにして旅程を組みました。

米沢というと山形以上に「肉」のイメージが強かった私としては(^_^;)
今回は肉三昧で行こうと、宿での朝食以外は全て肉!
(写真にはありませんが、2日目の昼食も牛肉どまん中だったりします。)
さすがにもういいや…と思いたい気分ですが、
あまりに美味しかったので、またこういう旅もいいな、と思いました。

1,2枚目は牛ではなく、羊肉です。
米沢駅から歩いて5分くらいの所に「羊肉のなみかた」
という、名前の通り羊肉の専門店があります。
このお店の2階は食堂になっていて、国産の羊肉や
厳選したマトン、ラムを食べる事ができます。

1枚目はこのお店の名物という「義経焼」です。
ジンギスカンのような見た目ですが、もっとあっさり目の味噌味。
国産の羊は柔らかく臭みも全くなく、
ジューシーだけど非常に食べやすいので
幾らでもごはんが進みます。
※おまけに山形はお米、味噌汁がどこで食べても美味しいので、
パクパク食べてしまって困ります(^_^;)
 

2枚目の写真はマトンのから揚げです。
出来るのに30分かかると言われましたが、待った甲斐あり!
竜田揚げのような衣とちょっとスパイシーな風味が、
柔らかい羊の塊肉をしっかりサポートしています。
 

3枚目は宿で出されたすき焼き…この霜降りに驚愕しましたが、
こちらは山形牛です。見た目どおりの、とろける味!
 

4枚目は2日目夕、上杉伯爵邸という素晴らしい所(その辺りは後述)
で頂いた米沢牛すき焼き(増量サービス中w)
こちらは肩にあたる部位で3枚目のものより霜降りは薄いですが
肉のうまみが濃い!そして肩肉とは思えない柔らかさ。油の甘さ。
とろける感触も良いですが、牛肉の旨みをすき焼きで堪能するなら
この部位の方が個人的には好みかな?
勿論、米沢牛のロースはまた凄いのだと思います。
いつかまた体験してみたいものです。
 

とまぁ今回は肉ばかりの写真になってしまいましたが(^_^;)
情緒溢れる素敵な所でした米沢。その辺りはまた次回に。
先に見てみたい方は相方のブログにも記事があるのでこちらもどうぞ。

※おしょうしな→米沢の方言で「ありがとう」のこと。
現地では沢山聞きましたよ。

2011年1月27日

エンヤと平沢進と”SOLAR RAY”その2

1からの続きです。

エンヤと平沢進にはいくつかの共通点があって
・バンドから1アーティストとして独立した
・デビュー年が近い(1988年と89年)
・音(声の多重録音など)
・映画音楽などを手がけた事がある


なおかつ私がポピュラー音楽に求める4つの要素
・サウンドが独特
・曲がキャッチー
・作詞に世界がある
・声に色気がある

をどちらも満たしています。

ただ、私はエンヤに関しては、デビューアルバムの"watermark"以来
ずっとアルバムを買って愛聴し続けていたのですが、
ある時を境にブッツリと途切れてしまいました。
それは2004年に「アマランタイン」「菫草(すみれぐさ)」が
パナソニックのCM曲として作られた(採用されたのではなく)事が
きっかけでした。
ええ!あのエンヤがCMの、それも日本の曲を書くの。と思った一瞬、
それは私自身が大切に持っていたエンヤの世界が崩れてしまった
瞬間でした。

曲そのものがあまり好きではなかった事もあったのですが、
それ以降、彼女のアルバムは全く聴かなくなってしまいました。

ところが、今私は平沢進を、エンヤに出会った時は全く知らずに
デビューから20年も経った今になって夢中になっています。
それも、twitterやUstという手段によってめぐり合って。

誰かの音楽を好きになるきっかけはその人、その時によって様々です。
ただ平沢進の事を少し調べているうちに、
どうもネットの世界では今ちょっとした有名人になっているらしく、
メジャー(という言葉を彼は嫌うようですが)一歩手前くらいまでは
多分ブレイクしているような感じを受けるのです。
(リボルテックというフィギュアのリクエスト投票で1位になったとか、
そのニュースは元々知っていたのに、当時はこれがまさか実在する
アーティストの事だとは思いませんでした(^_^;)

つまり平沢進の人気が出ていなければ、Ust中継もなかったでしょうし
それによって私が彼の音楽に出会う事はなかったかも知れないのです。

加えて思ったのは、嗚呼、ひょっとするとエンヤについても
「アマランタイン」「菫草(すみれぐさ)」でのCMで
ファンになった人も、きっと大勢いるのだろうと。
出会いはどこに落ちているか分かりませんが、
ただ、拾い易さに関してはCMの威力は絶大です。

20年前のファンが、最近の人気ぶりについてどう思っているのか、
それも様々でしょう。
ただ、それを良い傾向と思わないファンもきっと少なくないだろうと、
実感と共に伝わってきました。
年月によるアーティストの音楽作りに対する姿勢の変化とは別に、
それも頭に入れて聴かなくてはいけないかな、と思うこの頃です。

平沢進を単なる一過性のマイブームではなく
じっくりと楽しみたいと思いつつ、
エンヤのことを再び見直してみようかな?と
振り返るきっかけにもなりつつあります。
多分彼女は、今も全力で音楽を創り続けていると思うから。

おまけ
せっかくなので動画もちょっと貼ってしまいます。
今回のアルバム"SOLAR RAY"で怖くも美しいと思ったこの曲と

エンヤで一番好きなこの曲を。


でも、パソコンの余計な雑音が邪魔するでしょうから、
二人の音の立体感は、是非購入してステレオで聴くのが良いです。
全然違いますよ。

※平沢進については次は何にしようか。
”Sim City”か最新オリジナルの”点呼する惑星”にするつもりですが。

エンヤと平沢進と”SOLAR RAY” その1

突然ですが、私がポピュラー音楽に対して求めるものは4つ。

・サウンドが独特
・曲がキャッチー
・作詞に世界がある
・声に色気がある


この4つが揃っているアーティストがいたら、
私が夢中になり”浸かってしまう”可能性がかなり高いです。
ただし、この4つの条件が同時に揃う人やグループはかなり少ない。
本当に少ないです。

1月14日の夜、twitterのタイムラインに"平沢進"のUstライブ中継の事を
書いている方が何人かいました。
平沢進って誰だっけ、名前は聞いたことがあるけど…
あっ!「千年女優」の音楽の人だ!!と思い出すのに数分かかりました。
(実は今ちょっとした時の人で、ネットで何度もその名前に遭遇していた
事に、後で気がつきましたが)
その時はたまたま時間もあったので、
このライブUstを興味本位で見てみることに。

まずてっきりお若い方なのかと思っていたら、
おじさんだった事にのけぞりつつ(^_^;)
パソコンから流れてくる音楽は、
上記4つの条件を全て満たしているではないか!
ただでさえ中々そんな人はいないのに、
それも日本人でこんな方がいたのかと、
数分で驚きと感動でいっぱいになり、
その後ライブが終わるまでパソコンに釘付けになってしまいました。

あの時タイムラインに平沢進の事を書いてくださった
フォロワーの皆さん、こんな出会いを私に下さった事にまず感謝。


さてその後は情報収集しつつ何かCDを買おうと思ったのですが、
何せソロ活動20年、P-MODELというテクノバンドの時代を含めると
30年も活動されている方なので、一体何から買っていいのか分からない。
作品数も元々膨大なのにベスト盤らしきものも複数、
リモデルされたものまで数えると
とてもじゃないがすぐに追いつけそうもない。
どうしようかな、最新の「突弦変異」「変弦自在」
(要はどちらもリモデル盤、ですよね)を買えば良いのかな。
と考えていたのですが…

ただ、私はただのベスト盤って好きではないのです。
「世界」のある人は一曲切り取っても、それが例え素晴らしい曲でも、
後でオリジナルを買うとそちらの方ばかり聴いてしまうから。
最新版はリモデルだとしても、2枚買うのはなぁ…

と悩んだ末、お試しの一枚で買ったのは
2001年のリモデル・アルバム”SOLAR RAY”にしました。
多分意図的なのでしょうが、オリジナルアルバムのタイトル曲が
4曲入っていたので今後の参考にしやすいし、
コンセプトの"P-MODEL風アレンジ"なら、音色もオリジナルと違いつつ、
一挙両得で平沢進とP-MODELの世界が分かるかな?という安直な理由で。

そうしたら、ヤラレマシタ。
これが素晴らしい。10年前とは思えないアグレッシブな音の洪水。
勿論何枚かのアルバムから曲を持ってきているので
統一した世界観はありませんが、
トリップ感、音の立体感がもうたまらない。
声の「言葉と音」としての引力もグイグイ引っ張ってくる。
ロックとテクノとの音の融合を目指したマイク・エドワーズは
こういう音楽を作りたかったのでは?と頭をよぎりました。

私の手持ちのアルバムは
今この”SOLAR RAY”しかないので、
平沢進のことはこれ以上語れません。
ただ聴き込んでいるうちに、もう一人のアーティストの事が
思い出されてきました。
それは、エンヤです。
(2に続く)

2010年8月29日

奇妙な出来事

夕飯の買い物に某スーパーに出かけた時の事。
お昼を東伏見たら☆さんで美味しくたらふく食べてしまったので
超簡単メニューにしようと、惣菜コーナーを見ていました。
脇で店員の初老のおじさんが値引きシールを貼っています。

弁当や、揚げ物を見つつも
「サラダとかもあるよ」と私が言ったところ、
おじさんが突然私のところにやってきて、マカロニサラダを差し出し

「これ賞味期限切れたのだけど大丈夫だから持って行って」
と言うではないですか!
確かにそのマカロニサラダ、賞味期限は昨日でした。

しかし突然の事でびっくりし、きっと目を丸くしたのかもしれません。
おじさんは更に付け加えて
「うちの店員が検査を見落としてさ、レジの子には惣菜コーナーの人が
そう言っていたと言えばいいよ」
というのでじゃあ…と受け取ってしまいました。
品質は保証すると自信たっぷりに話していたのも、妙に不思議な感じ。

可笑しなことに、レジのお姉さんにも
(万引きだと思われても嫌なので)一応そのお話をしたところ
ちょっと苦笑しつつも、マカロニサラダは会計せずスルーしてしまいました。
そんな事、しょっちゅうあるのか、このスーパー???

帰ってから早速マカロニサラダを頂きました。
それから3時間以上経過していますが、
今のところお腹は大丈夫です(^_^;)
まぁそんなものかもしれませんけどね。食べ物って。
味は濃い目でしたが美味しく頂きました。

※どこのスーパーかはおじさんの名誉のため書きませんでしたが
このブログにも登場した事のあるスーパーです。

2010年8月2日

TopGearが語るアイルトン・セナ

日本ではグランプリにあわせて(10月)
アイルトン・セナのドキュメンタリー映画が公開されます(詳細はこちら)
それに呼応してか、TopGearでセナの特集が組まれました。

正直TopGear大好きの私でも、ここに外部プレーヤーを貼るのは気が引けるのですが(^_^;)
でもどうしてもこれは見てもらいたかった。なのであえて貼ります。
特に最初に見るときは、コメント表示をオフにする事をお薦めします。
プレイヤーの右下の吹き出しを押してください。



私はセナプロ時代は知らない、
F1を見はじめた頃はマンセル&ウィリアムズが台頭していた(91年途中)
93年のドニントンや94年のあのサンマリノもリアルタイムで見損ねた。
セナをリアルタイムで知りつつも、
ファンとは言い難いし、複雑な気持ちを持ちつつ、
一時代を間違いなく彩った輝かしい人、という表現は出来る。
そんなもやもやした感じをセナに抱いています。


この動画はセナの大ファンでも、あるいは名前だけしか知らない人でも、
F1を見たことがあるならばその豪華さにきっと驚くと思います。
どんな感想を持つかはそれぞれだと思いますが、
モータースポーツ好きならば、本当に一見の価値があります。

私は冒頭のジェレミーやメイが上目で回想するシーンから、
来るものがありました。
時代は確実に移ろっている。そしてそれは当たり前なんだと。

F1もいろいろ変わっていて、
その時その時にベストを尽くしたドライバーがチャンピオンになっている。
セナの輝きはあくまでその当時のものだけど、それがもたらしたものは
同時代の人、あるいは世代をも超え影響を与えているんだな、と。
ハミルトンがあるものを目の前にしてキラキラとした笑顔を見せたときに
涙腺崩壊、思わずジーンとなってしまいました。

上手く書けないのですが、
F1やTopGearを追いかけていて本当に良かった、と
思える瞬間だったのは確かです。
日本GP前後は忙しいけど、映画も見に行きたいな、と思います。

2010年7月31日

不忘閣は確かに不忘閣

仙台旅行の肝心なところに触れないまま、
暑さにかまけてさぼっていました(^_^;)
今回のメインの一つに、青根温泉の雄、
不忘閣に行ってみることでした。
こちらは伊達家の別荘だったところ。
入り口だけを見るとあまり奥行きを感じないのですが
いやいやスケールの大きなところでした。さすが伊達家。

宿は現在の形態からは大き過ぎるのか、
お部屋は一部しか使われていない模様です。
風呂、食事どころに近い、御殿(お殿様が泊まっていた場所。泊まれません)
が見える西別館と、
遠い、行くのが大変だけど眺めが良くちょっとお安い不忘庵があります。
私たちは不忘庵の方を選んだのですが、何ですかこの階段!
 


写真では階段はほんの一部。
デパ地下から5階に上がったような気分を味わえます(^_^;)
確かに眺めは良好ですが、足腰に自信のない方は西別館をお薦めします。

お風呂は計5箇所。普段は貸切1箇所ですが、
この日はお客さんが少なめだったのか、3箇所貸しきることができました。
フロントにある、お風呂の名前が書かれた立派な板を持っていって
入り口にかけておけばOKという、気楽で大変ありがたいシステムです。

だってあ~んなお風呂やこ~んなお風呂が
簡単に貸切できるんですよ!
素晴らしくダイナミック。本当、殿様気分が味わえます。

 

 

是非、出来たら平日など空いていそうな時に出かけて、
またあの大きなお風呂にのんびりと浸かりたいです。
お湯も間違いなく温泉ですが、不思議と長く浸かれる優しいお湯でした。
湯上りも休憩所が何箇所かあるので、帰りが登山級でも(^_^;)
ゆっくりしてから部屋に戻れるので大変ありがたかったです。

ここは何もかもが大きいので、部分部分を手入れ、リニューアルしながら
今温泉旅行に求められている要素も出来るだけ
取り入れているような気がしました。
旧い旅館には違いありませんが、食事も美味しかったし、
私はかなり気に入りました。
確かに忘れられない処ですね。