2012年6月3日

CLASSIC FAVORITES ~山形交響楽団の”行き届いた”つくり

私は1月に山形テルサで山形交響楽団のニューイヤーコンサートに行ってきました。
(その時のブログ記事はこちらです。)
開演前に、音楽監督でもありその時の指揮を振られた飯森範親さんから、このコンサートの模様は録音され、CD化されると聞いていました。
その時は、へえ、と思っただけだったのですが、あの訳もなく涙がこぼれ、終わってしまうのが勿体無いなぁ、と心から思えたコンサートの後では、この演奏がまた我が家で聞けることを、大いに喜びとても心待ちにしたものです。
そして、先日、その時のコンサートが”CLASSIC FAVORITES”としてCD化されました。
(但しこの記事には注意点が。マーラーのアダージェットも収録されている事になっていますが、実際には入っていません。入れて欲しかったのですが・・・CDに収まりきれなかったのだと思います。)

現在の山形交響楽団の充実振りに加えて、彼らの”行き届いた音作り”が良く分かる一枚になっています。
何と書いて良いのか悩む部分もあるのですが、音の作りこみ、真摯さ、目と耳の行き届き方、あの時会場で感じた空気の圧力と熱気と柔らかさとがCDでも良く分かる作りになっています。
家のそんなにたいした事ないCDプレイヤーでも、また涙がボロボロとこぼれました。
これは聴いて頂かないと分からないかも知れません。とにかく、彼らの音からは普段の鍛錬から生まれてくるであろう自信と、音楽を聴いてほしいという真っ直ぐな願いが伝わってくるように思いました。

ただ、このCD、弱点があるとすればそのジャケットなんですよね・・・
以前にも書きましたが、私個人は飯森さんは派手すぎて苦手です(^_^;)でも多くのファンがいらっしゃる事も存じています。しかし、そのチャライ感じ(あえてそう書かせてもらおう)を好ましく思っていないクラシックファンも結構いるような気がするのです。それって非常に勿体無い!
彼の仕事ぶりを真っ当に評価してもらえないのでは、という不安も少々感じてしまうのです。
このCDはブルックナーとかのようにマニアっぽいCDではありませんが、山響のブルックナーも非常に評価が高いし、私も3番の”ワーグナー”や5番はとても好きです。
でもそんな方にこそこれ聴いてもらいたい。ビギナーであれば、こんな素敵な音を出すオケが外国に行かなくてもあるんだよ、という事をお伝えしたいです。

今月26,27日にはさくらんぼコンサートという、東京と大阪での遠征公演を控えています。
サッカーや野球ではありませんが一種のアウェイ公演ではあります。
しかし、それでも、今の彼らならその不利も克服して素晴らしい演奏を聴かせてくれるのではないかと、楽しみにしています。お近くの方は是非足を運んでいただきたいです。
そして7月19,20日に仙台フィルとの合同演奏会でマーラーの「復活」を山形、仙台で行います。震災復興の願いがこめられたこのコンサートには、仙台側で行ってくる予定です。
私としては、まずマーラーの予習をしないといけませんね(^_^;)


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